摂食・嚥下リハビリテーション学会
■ 日時 2017年9月14日(木)・9月15日(金)・9月16日(土)
第23回 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会学術大会
会場 幕張メッセ
9月14、15、16日の3日間にわたり第23回日本摂食嚥下リハビリテーション学会が幕張メッセにて開催されました。本会から齋藤会長をはじめ川野、広瀬、清水畑、橋本、福田、今井の7名で出席してきました。大変盛況で若い方の参加が多くありました。理事長の植田耕一郎先生と会場でお会いしましたが、今回初めて7,000名を超える参加があったと仰っておられました。
本学会は医師、歯科医師、看護師、栄養士、ST、PT、OT、ケアマネ、介護士など実に多くの職種の方々が参加され、それぞれの立場から講演がなされます。超高齢社会になり、いかに多くの方が摂食嚥下障害を抱えていて、それを支える方が対応に悩んでいるかを改めて認識いたしました。
いかに車いすにおいて、また椅子において楽で正しい姿勢を取るため、タオルを何枚も使うことにより、維持する方法については実習付きで行われ、大変興味深い研修でした。
我々歯科医師は口から食べることにおいてプロフェッショナルでなければならないのに、残念ながらまだまだそれほど多くの歯科医師が関わっていないのが現状です。また嚥下評価ができる職種は医師か歯科医師しかおりません。歯科医師が今後ますます研鑽を重ねしっかりと対応できるよう努めなければいけないと感じた次第です。
ちなみに来年度は杜の都、仙台で第回学会が開催されます。本来であれば東日本大震災があった6年前に開催される予定の地でした。7年がたち、その後の復興の様子を確認しながら是非参加したいと思います。
今井昭彦記
■ 日時 2015年9月11日(金)・9月12日(土)
第21回 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会学術大会(京都)
会場 国立京都国際会館
グランドプリンスホテル京都
平成27年9月11日(金)、12日(土)、第21回 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会学術大会が国立京都国際会館・グランドプリンスホテル京都にて行われました。今回は、本会会員と江戸川区口腔保健センター職員合わせて7名で参加しました。
今大会は「広がりゆくリハビリテーションニーズの中で摂食嚥下を考える」と、昨今の課題である社会保障の改革での超高齢者社会の到来を背景においたテーマでした。
リハにおいては急性期医療における早期リハビリテーションの充実と早期在宅復帰、それに続く地域での生活期リハビリテーションの重要性とかかりつけ医の役割が強調され、地域においても質の高い対応が求められてくる事や、地域包括ケアシステムや大規模災害時におけるリハの役割も注目されるなど、益々広がりを見せています。
リハにとって最も重要な領域の一つである摂食嚥下リハを担っているすべての方々に、広がるニーズを考えていただこうと大会の演題も「地域包括ケアと摂食嚥下障害―高齢化社会におけるリハビリテーションと摂食嚥下―」「誤嚥性肺炎患者への地域連携」「災害と摂食嚥下リハビリテーション」などのシンポジウムが企画されていました。ポスター発表では、「地域包括ケアにおける摂食嚥下両方の実際―老健併設歯科診療所―」「開業歯科医に寄せられる“食”支援への期待~介護が求める診療所の役割とは?」などが企画されていて、地域医療に従事している私たちにとって興味深く入ってきました。 また、多くの方々が自由に活発なディスカッションをしていただき実り多き学術大会にという主旨でシンポジウムやパネルディスカッションに企画者からのメッセージを入れた質疑応答を設けたり、ポスター発表もフリーディスカッション形式で、ワンディッシュとドリンクと共にという形式で行われ質疑や名刺交換が活発に行われていました。今回は女性の発表も大変多く、一層にぎやかな大会でした。
今回、江戸川区での発表はなかったのですが、地域医療の実践上の参考となる演題や、多くの方々との交流での意見交換や議論は大変有意義なものとなりました。この経験をもちかえり、センター事業に生かす努力を続けて参りたいと思います。
以下に右記発表内容を少し紹介します。
「地域包括ケアと摂食嚥下障害」では、摂食嚥下に関連する問題に対応可能な医療資源(医療機関や人材、医療介護連携状況等)に関する全国調査の報告(平成26年)がなされ、今後の方向性や地域で摂食嚥下障害に取り組む方策を考えさせられました。
「誤嚥性肺炎患者への地域連携」では、地域の食事支援から始める誤嚥性肺炎予防としての取り組みの紹介や、誤嚥性肺炎患者に対し口腔機能管理と地域連携を強化する取り組みで再燃予防への取り組みの紹介があり、地域連携の展望を考えさせられるものでした。
「地域包括ケアにおける摂食嚥下両方の実際―老健併設歯科診療所―」では、歯科医師が地域包括ケアにおける「食のパイプライン」としての役割を果たすことで在宅医療に寄与する可能性があることや、他業種との連携を取る際、訪問歯科のフットワークの軽さが大変強みとなり得る事を示唆している点が面白く感じました。
「開業歯科医に寄せられる“食”支援への期待~介護が求める診療所の役割とは?」では、歯科訪問の依頼内容は約60%が歯科治療で、約40%弱が嚥下評価という開設2年半の歯科医院の発表で、訪問先は特養50%居宅30%、居宅の依頼者は、ケアマネージャー70%本人家族10%報告がされていた点に大変興味をもちました。
清水畑 倫子